若くして音楽素養に裏打ちされたキメの細やかなMPBのスタイルを完成させたト・ブランジリオーニ。そのトのアルバムにて共作者として名を連ねていたのがこのヴィニシウス・カルデローニです。そこにも収録されていたジャズ的な構成とソウルフルなメロディの融合が印象的な”Vou Mandar Pastar" m-6をはじめ、バランソ(横揺れ)なムードのサンバ・ホッキm-1 のホーン・アレンジなどにこの友人が顔を覗かせています。またTp4 の2nd 「Super Duper」で"ジェニと飛行船”"うつろな愛”に参加していたのもヴィニシウス・カルデローニです。(Tp4 -drs のマリアと音楽学校で同級生だったよう) ファンキでスインギなトラックから、ジャズ・ピアノとブラシが彩りを添える柔らかいタッチで都会の風景を彩るかのような曲想、そしてギターで参加するウリセス・ホシャのエキセントリックなE.ギターの戦慄き、ボサ・ノヴァまで。このヴィニシウス・カルデローニの作曲家としての類いまれなる才能、そして自身のリズムで表現するヴォーカルのスタイル、この曲毎に異なる多色多彩なアレンジを固めるのがサンパウロのMPBで良く名前を見かける面々 - チアゴ・コスタ(p) や テコ・カルドーゾ(as, flute) ら多数のミュージシャンが集っています。タチアナ・パーハ、ブルーナ・カラン、ファビアナ・コッツァら錚々たる女性シンガーたちがデュエットで参加。さまざまな色合いが込められていて、日本の暑い夏景色にも合いそうなこの一枚。