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◎伝説のサンビスタ、ウィルソン・バチスタの発掘音源リノベと豪華な音楽家たちによるトリビュート、CD2枚組!
リオで自作のサンバを売りながら応援するサッカー・チームの不甲斐無さを酒場で憂う、典型的ボヘミアンな生活を送ったウィルソン・バチスタ。55歳にで亡くなるまでブラジル著作権協会で働きつつ、550曲ものサンバを作曲したそうですが、60年代当時に黒人系音楽家の評価は高くなく、テルマ・ソアレスという女性歌手のためにオープンリールに吹き込んだ彼の楽曲も、急遽海外に飛んでしまったテルマのお蔭で、結局陽の目を浴びることはありませんでした。ジョアン・ジルベルトのレパートリーにもなった"Louco(Ela é o seu mundo)"をはじめ、のちにパウリーニョ・ダ・ヴィオラや本作にも参加するクリスチーナ・ブアルキが、ウィルソンの書いた楽曲を発掘し、その素晴らしさに気付かせてくれるようになりますが、本作ではそのテルマのために作ったデモから7曲の未発表曲を新たに発掘、(モニカ・サウマーゾによるdisc1-5 "Calúnia", リヴィア・ネストロフスキー(vo) とジョアン・カマレロ(g) のdisc2-4"Boato de felicidade", マルコス・サクラメントの演るdisc2-5"Fui olhar nos teus olhos", モイゼス・マルケスによるdisc2-14"Minha infância", ウィルソン・バチスタ本人の復元されたヴォーカル・トラックとマイラ・フレイタス(vo,p)が共演するdisc2-9 "Sossega a moringa / O bom é ele" , パウロ・アラガォンのgとエドゥ・ネヴィスのtsにフイ・アルヴィンのclなどをオーバーダブしたdisc2-13"São Paulo antigo") 様々な世代の音楽家がウィルソンの作ったサンバの新たな魅力に気づかせてくれます。上記以外に著名な音楽家ですと、ジョアン・ボスコdisc1-14"O pedreiro waldemar"、ドリ・カイミdisc2-2"Meus vinte anos"、ネイ・ロペス&ジョイス・モレーノ"Copacabana a noite / Gosto mais do salgueiro"、若き世代ではアイルトン・モンタホイオスdisc1-6"Amor que maltrata"の名も。保存状態の良くないマスターテープからノイズを除去し、パウロ・アラガォンのギター・アレンジや、べべ・クラメールのアコーディオンなど現代のアレンジを加えたウィルソン・バチスタのオリジナル・トラックへの唯ならぬ愛情、そして参加した音楽家たちのリスペクトに富んだ演奏。2023年最大のオマージュが贈られたサンバ作品であると云えます。