2023/7 売り切れました。
サンパウロ出身のロック・トリオ- オ・テルノを率いるチン・ベルナルデス。バンドの4作目「Atrás/Alén」ではデヴェンドラ・バンハートや坂本慎太郎と共演、フリート・フォクシーズと全米ツアーに出かけるなど、インターナショナルな認知度を誇ります。ヴィンテージな機材の扱いに長け、また前ソロ作でみせた叙情とメランコリーを醸し出すコンポーズは、マリア・ベターニアらベテランのブラジル音楽家から楽曲提供を求められてもいます。ロック・バンドとして、集合体としての可能性を追求する一方で、ドラムやベースの多重録音に管弦アレンジまで施す、マルチ・プレイヤーとしてのチン・ベルナルデスを抽出したソロ二作目。より個人的で親密な情景を醸し出しているのですが、前作発表の5年前に大失恋を経験し、パンデミックで分断された世界を経て、生と死、苦しみからの再生にスポットを当てたソング・ライティングが為されています。フィリーピ・パチェコ・ヴェンチュラのヴァイオリンとアコースティック楽器でゆったりとロマンチックに描く先行シングルm-3"BB(Garupa de Moto Amarela) "、m-4"Realmente Lindo"は先日亡くなったガル・コスタのアルバム「A pele do futuro」(2018)に収録された楽曲のセルフ・カバー。米国インディーのハンドメイド・タッチを彷彿とさせるm-6"Falta"のメロウなアレンジにはハッとさせられます。じっくり手元に置いて聴き込みたい一枚。