2017/10/29 売り切れました
川沿い音楽の詰まった瑞々しい女性シンガー - セシリア・パウルの「LITORÂNEO」、この名作にて全編で8弦ギターを弾いているのがフォルマーサ出身のマティアス・アリアス。普通のギターに比べ音程の低い方へ2弦分音階が広がるわけで、しいてはベースの三弦までカヴァーできてしまうということになります。コンテンポラリー・フォルクローレの流れるようなアルペジオ奏法から編まれたハーモニーと、10曲中7曲に参加するマリアノ・"ティキ"・カンテーロ(アカ・セカ・トリオ/トリオ・ファミリア)の自然音を思わせるドラミングの対話で綴られるオリジナル・コンポーズは、g,b,drsのトリオかと見紛うほど流暢に語りかけます。かといって技巧至上主義の推しの強い作品かといえば、決してその類ではなく、自然発生的にも聴こえるヴォーカリーズ/スキャットも挟み込まれ、メランコリーな詩情に溢れています。
m-4"Breve Flor"にはセシリア・パウルが瑞々しいスキャットvoで友情参加、全員が唄うことで知られるアカ・セカのマリアノ・カンテーロは数曲でコーラス・ハーモニーを担うほか、マティアスとヘルマン・アリアスの兄弟共作曲m-5"Llegada"で自身が考案したスティール・ハンドドラム - ガラハンドで参加、清涼な風を吹かせてくれます。カルロス・アギーレのm-6"Pedacito de Rio"や、ブラジルの木管奏者レア・フレイリ作m-7"Turbulenta"はソロ・ギターで流麗に、政府公官も務める女性シンガー - テレサ・パロディが詩作を手がけたm-8"Canción Para Mateo"では、マティアス自身がvoを採ります。本盤と並行して進行してきたギター・デュオ作のパートナー、エルネスト・スナヘールがアーチスト・ディレクションを務めた、驚くべきインスト・ギター作品。