1stアルバムは’73年、もちろんLPでのリリースで「Porte de Rainha」、2ndはそこから7年を経た'80年「Coragem」、そしてCDの時代となり大分経過した'11年に30年ぶりのアルバムとして、新興レーベル - ジョイア・モデルナのカタログとして発表されたのが本作「Ave Rara」。サンパウロを拠点にブラジル・ポピュラー歌唱の教室を持ち、エリゼッチ・カルドーゾやエリス・レジーナを引き合いに出されるその唄は、なるほどジャズ・サンバの演奏に密接した、声を張りながらも透き通ったような新鮮味を感じさせ、漲る生命力に溢れています。タイトル曲はエドゥ・ロボ=アウヂール・ブランキによるものですし、ミルトン・ナシメント=ダニロ・カイミ=ホナウド・バストス作の"Rio Vermelho"、後半のバーデン・パウエル曲に、アシス・ヴァレンチ"Minha Embaixada Chegou" のような有名曲から、サンパウロのエドゥアルド・グヂンが書いた近年のボサ・ノヴァ"Acendeu"まで、ナイロン弦からホロウ・ボディのegまで駆使して洗練されたブラジリアン・ジャズのアレンジを手がけるのはギター奏者コンハード・パウリーノ。二曲ほど鮮やかなタッチのピアノでファビオ・トーヘス(トリオ・コヘンチ)も参加。シルヴィアの夫でコンポーザーのアヂウソン・ゴドイが書いたm-11"Dia Novo"では声とピアノの蜜月な夫婦デュオが聴けます。
(1:53〜 演奏)