永遠に続かんとするドサ廻りから還って来たトリオ楽団、Karpatt (カルパット)2年ぶりの新作がリリース!シャンソン+マヌーシュ・スウィングをベースに街の喧噪をそのまま持ち込んだような独自の世界観は叙情性をさらに強め完成されたアンサンブルへと。
メンバーが多く居た1stは12,000枚、疾走する2ndは18,000枚(共にフランス国内でのセールス数)と着実に知名度とキャリアを伸ばしてきたカルパット。オールド・タイミーなアンサンブル〜ドラムレスでジャンゴ・スタイルのギターにスラッピン・アップライト・ベース、曲に依ってはバンジョーやグロッケンにアコーディオンと凝ったアレンジメントに体感的で確かな演奏力(フロントマンのフレッドは元体育教師)、そして軽快に捲し立てる唄と全員コーラス。何より彼らの真骨頂はサービス精神に溢れるライヴ。オリンピア劇場なりパレス・ロワイヤルでコンサートを催そうとも、ポスターを貼ったギターを手に(リュックを背に)路上でゲリラ・ライヴで宣伝するという身のこなし。今回のアルバムでもたっぷり15曲の大奉仕!叙情感や酒場での厭世感を更に強めシャンソン・レジェンドを継投せんとする、灼け付くようなムードの曲が前半に収められ、カホーンでヒターノ・ルンバのリズムを叩きだすm-5やギター・ソロの冴え渡るワルツm-7、しっとりとムーディーな女性とのデュオm-8などを挟みながら、郊外の空気を胸一杯に吸い込んだようなカントリー・タッチの名曲m-9以降後半は怒濤のスウィングへとなだれ込む。音楽や詩表現の幅はさらに広がりを見せた本盤、真のエンターテイナーとしての評価を受けるであろう超好盤。
Karpatt 1st album :
A L'ombre du Ficus
Karpatt 2nd album :
Dans le Caillou