2020/5/28売り切れました。
サンパウロ産ボサ・ノヴァ新時代突入。モダン・ジャズのスタイルをベースとした洗練されたボサ・ノヴァ/サンバ・ジャズで、”新しい潮流”に載った新時代ブラジル音楽の女性S.S.W.。世界中からアート感覚が持ち寄られ発展・展開してゆくサンパウロの音楽シーンから、一際可憐で贅沢な至福の音楽を提供してくれます。
アルバム・タイトルの"Nosso" は”私たち”という意味。ダニ・グルジェルが歌手として、またコンポーザーとして新しい世代のミュージシャンや共作者とコラボレイト、ダニの廻りに繋がっている豊かな才能を集結して発信しようというプロジェクトです。ピアニストの母とサックス奏者の父を持つダニ・グルジェルの廻りには常にインストゥルメンタル音楽があったといいます。事実、名門のサンバ・ジャズ・コンボ- ジンボ・トリオのサックス・セクションなどからキャリアを始め、その後にベース奏者としても活躍した実績を持ちます。またデザインなどの方面にも、その関心と才を寄せているようです。4曲入りのミニ・アルバム発売の後、この初となるフル・アルバムでは、フレッシュな感性で我々を魅了する女性S.S.W.ジアナ・ヴィスカルヂとその相棒のギタリスト・ミヒ・フチチュカ(g)や、先日ブラジルでリリースされたアルバムで完成されたコンテンポラリーなMPBを聴かせてくれた若き才能-
ト・ブランジリオーニ (g)、とそこでピアノを披露しているダニの母であり彼らの師匠でもあるデボラ・グルジェル、パーカッショニスタのアンドレ・クルシャウ、ブラシ・ワークなどを駆使して隅々まで気配りの行き届いたスムースなジャズ・スタイルの演奏基盤を造り上げ、共同プロデューサーとしても名を連ねるチアゴ・ハベーロ(ds)に、コントラバスからE.ベースまで見事に曲の”流れ”を築くダニエル・アモリン、ヴィニシウス・カルデローニやダニ・ブラッキというサンパウロの新進気鋭のコンポーザー、本当に様々なサンパウロの音楽関係者たち、皆で作りあげた意欲作。中には友人のシコ・ピニェイロやシコ・セーザルのアドヴァイスなどもあったことでしょう。鳥のさえずりを思わせる澄んだスキャットを交え、肩の力のいい具合に抜けたナチュラルでリラックスした唄声からは、その人と也が伝わってくるようでとても好感が持てる上に、おそらくはセクションごとに会話をするかのように親密な録音がされたであろう演奏は素晴らしいの一言。ボサ・ノヴァ生誕50周年の今年は本当に躍動しているかのようです。