tp, b, ds の三人編成でフリー・ジャズを展開し、国際的にも評価の高いグループ-ゴルドロコ・トリオのベース奏者。モノ・フォンタナを始め多くのプレイヤーの作品で仕事をしてきたこのエルナン・アシェットのソロ作がこちら。ベースとピアノのデュオ編成でフレットレスの特性やハーモニクスを活かした奏法でゆったりと低音を燻らせながら、映像的な音を描き出してゆきます。本人も数曲唄声やスキャットを披露している他、サンプリング・ビートを取り入れた曲や、手巻きオルゴールの音色、そしてピアノ奏者の女性マイア・イジャのナチュラルな唄声をフィーチャーした楽曲まで多彩な曲想。決して内向的/ダウナーなムードに陥る事も無く、まるで印象的なミニ・シアター系映画のサントラに相応しく、アルバム・タイトル「7時の湖」蒼の深い風景が瞼に浮かぶよう。二人の蜜月ともとれる親密な関係性が音楽にも現れていて心地よいです。おすすめ!