2021/8/3 名盤、再入荷しました。
水、思い出。淡い水辺の風景を想起させる繊細なアコースティック音楽。ブラジルのカントリー・ミュージック - ムジカ・カイピーラを変革するトリオがこのコンヴェルサ・ヒベイラ。オープン・チューニングを基本にキラキラした音色を発するカイピーラ・ギターに、ピアノとアコーディオンの双方を演奏する鍵盤奏者、そして女性シンガーという編成で、ブラジルの内陸部、川沿いの風景をポエティックに描き出します。いわゆる伝統を継承したフォルクローレだけに留まらず、現代音楽やジャズのエッセンスも散りばめて、ミルトン・ナシメント作"Morro Velho"、チアォン・カヘイロ"A Coisa Ta Feia"、ルピシニオ・ロドリゲス"Felicidade" などMPBクラシックを現在の洗練されたアコースティック音楽の潮流に載せてプレイ。そこはかとなく漂うメランコリアがエリック・サティの名旋律を彷彿とさせるその名も"Conversa Ribeira"はホジェリオ・サントス作、カイピーラ・ギターのジョアン・パウロ・アマラルが作った"Ventania" では内に秘めた詩情を丁寧に紡ぐシンガーのアンドレア・ドス・ギマランイスと澄んだスキャットを聴かせてくれます。特に柔らかいタッチで流麗なピアノを披露するダニエル・ムリェールの自作に加え、他にもルイス・フェリーピ・ガマなど現代の音楽家たちの作品を採り上げており、故郷の美しい風景といま吹く風の匂い、音楽に対する発展的向上心、これらを見据えた末永く聴ける傑作。オーケストラとの共演やモニカ・サウマーゾとのプロジェクトなども進行しているそうで、今後の動向も楽しみです。