パティ・スミスやP.J.ハーヴェイ、ニコのトリビュート企画で構成されたショーを行なっていたこともある、インティメイトでフリーキーな室内楽ポップの香りを漂わせたサンパウロの女性S.S.W.ラウラ・ヴロナのデヴュー盤。
元プラネット・ヘンプのハファエル・クレスポらと結成したトリオ、アスペンの創設メンバーでもあったラウラ・ヴロナ。本作でプロデュース、ベースをプレイするチアゴ・ナシフのソロ作品にゲストで参加するうち、近所付き合いの延長で当初4曲入E.P. の予定だったラウラのソロ・デヴューは晴れて7曲入アルバムと相成りました。コンポージングはもちろんのこと、ギターやアコーディオンもこなすラウラの原曲を、チアゴ・ナシフを中心に、Tp4 ~ トゥリッパのアルバム、そして実験ポップと映像を喚起するソロ作を発表したドゥドゥ・ツダ(key)、多くの作品で活躍するブルーノ・セホーニ(cello)、ブルーベルのバックで来日したジャズ・ギターのアンドレ・ボルヂニョンらサンパウロ・インディペンデントを賑わす音楽家たちと、弦楽アレンジやプリペアード・ピアノにインプロヴァイズド・コーラスなどで膨らませていったフリー・フォーク・タッチの佳曲が並びます。ミキシングに4ヶ月掛けたとあって、一見穏やかなうたものでありながら、繊細に編まれた音色の数々が感受性を刺激します。70'sのシンガー・ソングライター・ムーヴメントを想起させる英語詩の"Fat Cat Mood" やアコーディオンでフレンチ・タッチを醸し出す”Valsa das vontades" など彩りも豊か。
Laura Wrona - Baleia from Folk This Town on Vimeo.
http://www.laurawrona.com/