アルゼンチン北部フフイのフォルクロリカな女性シンガー - ノラ・ベナグリアの新作が登場。
元はブエノス・アイレス生まれで、その後フフイ州に移住、90年代の終わり頃からフォルクローレ系統の女性シンガー・ソングライターとして活動するノラ・ベナグリアと本盤でもその実力を発揮するミュージシャン - ウーゴ・マルドナドは先日来日したトミ・レブレロの音源にも多く参加しています。(Siete DIas, Malambo del Tobiano, Tilcara など)
ノラの自然と湧き出たかのようにフリーキーな唄と自身のギター、屋台骨の働きからトリッキーなプレイまで自在なウーゴ・マルドナドのベース、ビリンバウからカホンまで装飾的な役割も果たすパーカッションのチャチョ・ルイス・ギニャス、この3人のミニマム・アコースティックなアンサンブルは時にインプロヴィゼーション、エクスペリ・フォルクの様呈も孕みながら、水の流れる音と共に自然と調和すべるような流麗さも携えて、人間が生み出す音楽の芯の部分に触れてきます。"水の記憶"を歌う美しいm-1、澄んだワルツにカリンバの音色が揺れるm-4"わたしたちが名声を挙げること”など大部分がノラの自作自演、タブラの余韻とリカルド・ビルカ詞作の朗読で始まるm-5"Ausencia" はエドゥアルド・マテオの曲、ビオレータ・パラにも似た伝承音楽的な節回しからモダンなアコースティック・アンサンブルへと流れてゆくm-10"el robo"、オリエンタルなビリンバウの音色と水音に導かれたライヴ録音のm-11 "La Yuli" はウーゴとのデュオが始まると一転、瑞々しいアフリカ音楽のように。
*本盤の録音特性で高音がかなり大きいので、お手持ちのアンプ等のトーン調整にて3割高音下げ、3割低音上げ、をするとより心地よく聴けると思います。お好みでどうぞ。