パブのカウンターで瓶入りコーラを傾けながら他愛のない話を。そんなシーンの後ろに鳴っていてほしい一枚は、センセーショナルな1stアルバムを当店で扱っていた、アルゼンチンの女性だけのラテン・ルーツ・バンド、ラス・タラダス。マリナ・ファヘスとのデュオ作が話題となったルーシー・パタネや、ルー・マルティネスにパウラ・マフィアらS.S.W.としても活動するメンバー、アルヴィ・シンガー・ビッグバンドに在籍した面々などブエノス・アイレス・ローカルな活動を継続してきたミュージシャンの集合体でもあります。ボレロにチャ・チャ・チャ、クンビア、ブーガルーにスウィング、ボサ・ノヴァ。ラテン・アメリカ中のルーツ・リズムを用いて、往年のジャズ・シンガーのようなフェイクを用いたヴォーカル、賑やかなユニゾン・コーラス、そしてクラリネットやヴァイオリンといった素養を必要とする楽器も加わった豊かなアンサンブル。変わらぬスタイルに頰も綻びます。