栄誉あるヴィザ賞のファイナリストとして五人の候補に残り、1stではナナ・ヴァスコンセロスとも共演。詩人マリオ・デ・アンドラーデの遺したブラジル・ポピュラー音楽の史跡資料をもとに制作した2nd、そして大病を患いのち克服してからの3rdと、ブラジルにおけるコンテンポラリー・ミュージックのなか屈指のピアノ奏者に数えられるエロイーザ・フェルナンデス。一方でベンジャミン・タウブキン率いるチェンバー・プロジェクト、オルケストラ・ポプラール・ヂ・カマラーに参加している木管奏者のマネー・シルヴェイラ。この二人のブラジル人演奏家が自らの文化を形作る源ともなったアフリカ大陸の文化にオマージュを捧げたのが本作。現代音楽やコンテンポラリー・ジャズに精通したエロイーザとマネーだからこその、内面で感じるリズムに基づいた壮大で穏やかなるハーモニーと旋律の対話。ムビラのメロディーや古い笛の音色、伝承歌などから得たインスピレーションは静と動の揺れ幅や、女性のピアノらしいしなやかさや鮮やかさに現れています。コンポーズはマネーが4曲、エロイーザが3曲、そしてフィールド・レコーディングされたアフリカでの生活音にインプロ的なヴォイシングを施す"Surgimento"は二人の共作。