サンタ・カタリーナ州ブルメナウ出身のS.S.W.が醸し出す、メロウで人恋しくさせるよな世界観。ギンガ、クリストヴァオン・バストス、アナ・パウラ・ダ・シウヴァ参加。
'82年、ブラジル南部サンタ・カタリーナ州ブルメナウ出身のS.S.W.ジョン・ミューレル、これが3年ぶりとなる2ndアルバム。パウ・ブラジルなどで活動するベース奏者のジョルジ・エウデルがプロデュースを手がけ、ジョン・ミューレルの生ギター弾き語りを主体に、歌に沿うようなアコースティックな手触りのバンド・アンサンブルは、ジャズ調のpやegがアクセント。ノヴォス・コンポジトーレス勢にも通じる清涼な爽快さ、そして傍に寄り添うように甘いメロウネスを併せ持った自作の楽曲群。名手クリストヴァオン・バストス(p)がゲスト参加した"Ideograma"に始まり、同じ州を故郷とする女性S.S.W.アナ・パウラ・ダ・シウヴァ(vo)がゲスト参加、ジョルジ・エウデルがナイロン弦ドブロgを弾くm-6"Maré Rasa"のサウダーヂ感、洗練されたフォホーのm-8"Fronteiras"、m-10"Na Linha Torta"ではゲストのギンガ(vo,g)がまるで自作であるかのように、そこはかとなく哀愁を漂わせます。軽やかなボサ/サンバのm-12"Ilusionismo"まで満たされた現代MPBの醍醐味、そして強いブラジリダージを感じさせる作品。