アルゼンチンのタンゴやジャズのフィールドで活躍するギター奏者で、弊社製作の国内盤にてS.S.W.としてのアルバムも発表しているギジェルモ・カポッチが若手(といっても30代なかば)のヴォーカリスト/打楽器奏者 - ルーカス・カメホとのデュオで編んだシンプル・アコースティックな作品。
エドゥアルド・ファルー("La Nostalgiosa")、レギサモン("Cantora de Yala")、J.C.コビアン("Nostalgias")といったアルゼンチン・フォルクローレ/タンゴの古典に混じって、ホルヘ・ドレクスレル("Sea")、フェルナンド・カブレラ("Te Abracé en la Noche")など現代のウルグアイ・ポピュラー、L.A.スピネッタ("Fuga Capella")やフィト・パエス("Yo Vengo a Ofrecer Mi Corazon")のようなアルゼンチン・ロックのレジェンドを、カホンを主体とした打楽器を叩きながら唄われる艶っぽさを孕んだルーカス・カメホのヴォーカル、ガット・ギターを意のままに操り、モジュレーション系のイフェクトや斬新なアレンジでハイブリッドなプレイも披露するギジェルモ・カポッチはかつてタンゴ楽団の一員として来日経験も持ちます。このふたりで2012年から催してきたショーの評判を受けて制作されたのが本作。涼しげなホルヘ・ファンデルモーレの楽曲("La Mirada"、"Oración del Remanso")や、カポッチ「ハリャリャ」に収録された"Nada Que Perder (失うものは何も)"や"Brasita(ベニイタダキ)" の刷新されたヴァージョンに颯爽としたアルゼンチン産アコースティック音楽の魅力を感じずには居れません。