かつてファナ・モリーナのサイドマンとして来日を果たしたこともあります。発想を瞬時に音に変換できるギター奏者としての腕も然ることながら、ヒネリの加わった個性的な楽曲を描くS.S.W.としても「El placard」と二枚組の大作「Las cosas del mundo - de todos los dias」を発表しています。自身3作目となるこのミニ・アルバム、あなたはここに居ますか? は6曲入23分弱を収録した作品で、新作をプロデュースしている女性S.S.W.のソフィア・ビオラ(cho)や
アルヴィ・シンガー・ビッグバンドでも活躍するフアン・キス(cl) ら管弦楽器をも呼び込んでリヴィングルームにて収音、エルメート・パスコアルやパスカル・コムラードを彷彿とさせるアコースティック実験室然とした音の冒険が詰まっています。さすらいの遊牧民のワルツが一変、陽気なラテン音楽のムードへと展開する"Sonando un misterio"、エセキエルの脱力系ヴォイスに呼応するかのようにリコーダーとグロッケンにチェロの親密なトーンでフォルクローレ的な可変拍子を刻む"La cornisa"、アクセル・クリヒエール(acc)、サンティアゴ・カスティジャーニ(tuba)が参加した"al compas"はギターの小気味よいバチーダと軽妙な歌で、私が以前目撃した弾き語りでも映えていました。コントラバスの空気感とコラージュされたようなドゥワップが異次元のジャズを演出する"el umbral"... 映画的に、シアトリカルに唄世界で魅せてくれます。「USTED ESTA AQUI?」の円形ステッカー付き。