2024/10/24 売り切れました。
当店でもビッグ・セールスを記録した2018年発表の輸入盤CD「Casa」。インディー・フォークを基調としたチルでアンニュイ感漂う作風で、エミシーダやヒンコン・サピエンシアらをゲストに迎え、ヒップホップにもアプローチしていくという好作でした。5年を経て、当初デジタル配信から発表されたフーベルの新作は、伝染病や悪政によって分断されたブラジル社会を描き出そうとしたもの。陽と陰、サニーサイドとメランコリーという感触で分けられた2枚組の大作となっています。サイド1ではメストリーニョのaccと弦楽を携えたフォホーに始まり、ト・ブランジリオーニ、アナ・カエターノとの共作曲で、シャンヂ・ヂ・ピラーリス(ex.グルーポ・ヘベラサォン) をフィーチャーしたサンバ・パゴーヂ "Grão de areia"、アナ・フランゴ・エレトリコがプロデュースしたブラジリアン・ブギー"Não vou reclamar de deus"、バーラ・デセージョのコーラスをフィーチャーした"Toda beleza"、ラッパーのBKとMCカロルをフィーチャー、ガブリエル・ド・ボレルとマルシオ・アランチスが制作に関わったバイリ・ファンキ"Putaria"、チン・ベルナルデスをフィーチャーした共作曲"As Palavras"、サイド2の方ではリニケールとルエジ・ルナをフィーチャーした壮大なバイーア的アフロ・テイストの"Torto arado"、クルビ・ダ・エスキーナスへのオマージュ"Lua de garrafa"へは御大ミルトン・ナシメントが参加、と全編を通してブラジリダーヂ、音楽を大事な表現法と捉えるブラジル人としてのアイデンティティを強く感じさせる作品です。また詩情を醸し出すクルーナー・ヴォーカルが構築された世界観を完全なものとしています。