ジャヴァンと並んで90年代よりコンポーザー、名ギタリストとしてMPB界に君臨してきたギンガ。自身初の詩作、そしてシンガーとしての魅力を打ち出した新作。
ギンガといえばアウヂール・ブランキやパウロ・セーザル・ピニェイロらとコラボレーションし、その名を馳せるMPB界の名コンポーザー/名ギタリスト。その慎み深く穏やかな唄声には、盟友ジャヴァンも新聞を通じて彼に「自ら詩を作り、それを自らが唄う事」を薦めたほど。ジャヴァンの願いが叶ったか、満を持してギンガは本作にて12曲中8曲もの割合でその喉を披露した。また、これまでギンガのアルバムといえば、ストリングスなどの装飾が華やかであった印象だが、今作ではカルロス・マルタ(flute, s)やパウロ・セルジオ・サントス(cl,s)らによる木管楽器と繊細さに満ちたアンサンブル。共作者にはパウロ・セーザル・ピニェイロ、アウヂール・ブランキ、m-4やm-9で漂い浮かぶような作風を披露するシモーヌ・ギマラエンス、若手の気鋭ジャズ・ギタリスト/コンポーザー - エドゥ・ネイピを迎えた。m-5"Via Crucis"(クルシス通り)にはミナスの女性シンガー?パウラ・サントーロが参加し華を添える。アルバムを締めくくる"Comendador Albuquerque"では、ギンガの1stアルバムをプロデュースし、急逝してしまったパウリーニョ・アルブケルキへのオマージュを哀しいワルツで捧げている。プロデュースは06年ギンガ作品集をリリースして話題となった、元クアルテート・マオガニ(ギター四重奏楽団)の凄腕ギタリスト=マルクス・タルデッリ。