2013年の春、日本各地で親密な唄の魅力を伝導したジョセフィン・フォスターのサイドマン、スペイン人ギタリスト/S.S.W. ビクトル・エレーロのソロ第2作が入荷しました。唄とギターのみの素朴なフォルクタッチの音源ながら、醸し出す独特のタイム感、惹き付けて止まないなだらかで優美な雰囲気にノックアウトされた作品です。
以前に扱っていたイタリアのレジスタンス・フォークと似た鎮魂のムード、包み込むような優しさを携えています。ビクトル・エレーロ名義で発表されたものとしてはインスト・ギターのアルバム「Anacaoreta」以来の初となる唄ものアルバム。好きなギター・アルバムとして、近年深く関わっているジョセフィン・フォスターをはじめ、ビクトル・ハラ、ビオレータ・パラ、アタウアルパ・ユパンキ「Receital de Guitarra」などを挙げており、フォルクローレと通じるギターのヴォイシングに、前のめり気味に詩的な言葉を載せる手法はまさしくトロバドールのそれ。ラテン圏に於けるギター弾き語りの魅力に溢れた一枚。