内面を見つめた鎮魂のささやきから感情をこめていきみ、ファルセット混じりの高音で叫び歌う... まさにフリー・フォルクで劇的な世界観。ブエノス・アイレスの女性シンガー、ソエマ・モンテネグロのセカンド・アルバムは「passionaria」- トケイソウ、南米産の花植物で食用や精神を鎮める薬用ハーブにもなるpasionaria と英語のpassion を掛け合わせた表記。ホーム・スタジオで自身のギターと唄にホルヘ・ソッティレの操る楽器類の少ない音数のもと録音された
前作 「Uno Una Uno」から比べれば、 マリアナ・ボルヒのコントラバスをはじめ、ドラムス、チューバやフルート、ヴァイオリン、ピアノ、ロンロコまで多くのゲスト演奏者が関わった豪華なプロダクションが施されています。その分、ジプシー・ブラスに放蕩のフォルクローレが混じり合った"flores del desierto" (砂漠の花)から、公私共にパートナーのホルヘ・ソットレのバンドネオンと独自の歌唱法がシンクロしてゆくエキセントリックなタンゴ "milonga de la ensonada" (夢見のミロンガ)やチェロのアルコ弾きにギターでたおやかな情景の"rio arriba" (川を遡って)、バンドネオンでチャマメのリズムを交えた瑞々しい"el camalote" などアルゼンチンならではの曲調もあり、ピアノと実験的なパーカッション奏法を背景に静かに繰り出す"cancion dragon" など表情は多彩に富んでいます。そして映像作家ヴィンセント・ムーンのA Take Away Shows #100 で採り上げられた際の音源をそのまま収録した"molecuarmente" も。
Take Away Show #100 _ SOEMA MONTENEGRO (part 1) from La Blogotheque on Vimeo.