カエターノ・ヴェローゾ、アルナルド・アントゥネス、パウロ・ミクロシュ(チタンス)参加。80年代初頭からボンキショッチなど数々のバンドで活動し、パペットもののTV番組などのキッズ向け音楽を多く手がけてきた異才 - フェルナンド・サレムのニュー・アルバム。郷愁感が漂う穏やかなサンバやサンバ・ホッキのリズムが基盤なのですが、使っている音色がなにせ、変。ギター、カヴァコやタンタンといったサンバ楽器に加え、シンセ、サンプラーやイフェクトを多用しているのですが、そこでそうくるか、と常にユニークです。スチール・パンの音色を模したシンセやスティール・ギターのアレンジが南国のどこか、国籍不明のトロピカルな世界へ惹き込んでくれます。このあたり子供向けの音楽を手がけていただけあって、リスナーを笑顔にする術に長けているといえましょう。このゆるさ、チープさが肝です。ネルソン・カヴァキーニョの"パリャソ”を採り上げているとはいえ、原理主義の方には断じてお薦めしませんが、発想のひねりが常に新しい悦びを生むということを実証しています。
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