97年から2000年まで、カリオカのギター奏者アウミール・シェヂアッキの制作、ルーラ・ガルヴァォン(g) のアレンジで、ホーザ・パッソスは4枚のアルバムをルミアール・ディスコスから発表しています。この中からアリ・バホーゾ、トム・ジョビン、ドリヴァル・カイミ曲に絞って13曲を選曲、マスタリングを施したのが本作「canta Ary, Tom, e Caymmi」。ドリヴァル・カイミの"Samba da minha terra" に始まり、最も知られたボサ・ノヴァ・クラシコ "Garota de Ipanema" (ジョアン・ドナート参加)や "Samba de uma nota so" も譜割を大胆に変えて新たな解釈を施しています。アリ・バホーゾ"Morena boca de ouro" のサックスやピアノを伴ったジャズ・アレンジは第二次大戦中に作られた楽曲であることを俄には信じられなくさせていています。カイミ曲 m-10"Vatapa" の爽快さ、小気味よさ、ホーザ・パッソス自身のギターが冴えるm-9"Pra machucar meu coracao"やm-13"Isto aqui o que e "。 ホーザ・パッソスのこの時期の音源をお持ちでない方、これからボサ・ノヴァを聞いてみようという方、お薦めします。