サンパウロにて女性だけで編成されたパゴーヂのグループ、サンバ・ヂ・ハイーニャではアコースティックで典型的なサンバのグルーヴを追求し、欧州ツアーに出掛けるまでにスポットを浴びてきました。そのグループのヴォーカリスト、ヌービア・マシエルのソロ作品はむしろサンバ以外のポップ・サイドとでも呼ぶべき音楽要素が盛り沢山。ゼリア・ダンカンやベターニアを思わせる、ふところ深く男前な唄声と、アナ・カロリーナなどとも通じるロマンチックなオリジナル・コンポーズが光ります。
プロデュースとギターでトゥリッパの弟、いまや数多くのプロデュース・ワークをこなすグスタヴォ・ルイスが参加、ドラムスもトゥリッパのバックを務めるカイオ・ロペス。ということでサウンドはサンパウロのインディペンデントな新世代ブラジル音楽の手法で作り上げられています。所々にサンバ・ヂ・ハイーニャのメンバーも参加したり、カヴァキーニョのカッティングやサンバのリズムによるクラップが隠し味的に用いられていますが、バルカン半島的なブラス・セクションがあったり、フォーキーなホマンチコ、レゲエ・タッチにニュー・ウェーヴ・テイスト、と彩りは豊か。m-7 "Alvo Errado" のような良曲や、レオ・カヴァルカンチ曲のユニークなカヴァーm-9"Medo de olhar para si" も。