フローラルに、かつ奇才カルロス・カレカの作品を採り上げるなど個性的な選曲も光ったソフト・サンバの
1st アルバムから4年。自らと共に歩んで来た愛おしい曲達をシャープで甘美なスウィート・ヴォイスに載せて。
なんでしょう、この全編を覆うメランコリアは。敢えて短調の旋律を載せた楽曲達を選んでいるというのもあるのでしょうが、2作目となる今回もカルロス・カレカの"Acho" ではじまり、サンビスタ - ティエー・アルヴィスが書いたタンゴ・ミロンガにはバンドネオンも入って、変わらず個性的な視点の表現が斬新に映ります。大学で叙情詩を研究し、ソウザ・リマ音楽学校でブラジル音楽をはじめ表現技法を磨き、海外にも短期留学をした経歴を持つダニエラ・アルカルピのもとには図らずも個性的な楽曲達が集います。カルロス・カレカ自身とデュエットした"Choranda em 2001" や、リオのS.S.W.フレッヂ・マルティンスがボサ・ノヴァ傑作「Guanabara」を作る前の1曲"Novamente"、先鋭的な作品で知られるクレベール・アルブケルケ"Choro"に、カエターノ・ヴェローゾの"Trem das Cores"...ジョアン・マルコンデスがギターのみならずサンバ・ショーロの弦楽器や打楽器を駆使し、コントラバスや管弦の小編成でアコースティック・アンサンブルを実現、シャープに澄み渡ったダニエラ・アルカルピの甘美な唄声が楽曲の魅力に応えています。