サンパウロ郊外で'77年に生まれ、母親の反対を押し切ってサンバにのめりこんだマルキーニョ・ヂクア。12歳でカヴァキーニョに惚れ込み、16歳でオフィス・ボーイとして働くようになり購入が叶い、ULM (トム・ジョビン自由音楽学院)の無料で通えるコースにて発声を学んだという苦学からの叩き上げミュージシャンでもあります。その後、故ルイス・カルロス・ダ・ヴィラ、デウシオ・カルヴァーリョやセウ・ジャイール・ド・カヴァキーニョ(ヴェーリャ・グアルダ・ダ・ポルテーラ)が参加した「Aprendiz(=見習い)」というタイトルの1stアルバムを'05年にリリース。"Samba da vela" などサンバ名曲のコンポーザーとしてだけでなく、サンバ作曲家の協会を設立した創始者として、また優れたパフォーマーとしても高い評価を得ています。女性サンバ歌手ファビアナ・コッツァとステージで共演したりも。さてこの最新盤では、キンテート・エン・ブランコ・イ・プレトのマウリリオ・ヂ・オリヴェイラのプロデュースの下、時に管楽器、ベースやピアノも含み、端正に整ったパゴーヂ編成のアンサンブルと、艶っぽい美声に情感をこめ、マルキーニョ・ヂクアが自作曲を中心に、同世代の新進サンビスタ - キコ・ヂヌッキの曲なども自在に唄い回します。湿気も吹き飛ぶほどにフレッシュな小編成サンバ作品。
1:57からMarquinho Dikua 登場。m-1 収録の"nosso amos"