リュクセンブルグの女性シンガー・ソングライターで小説家という顔も持つクローディーヌ・ミュノと、ギターをはじめウクレレやマリンバなどトータルにサウンド・メイキングを俯瞰するティエリー・キンシュが率いる g / dobro / p / b / backing vo / drs の6人編成がザ・ルナ・ブーツ。この編成で'07年に「Noctambul」という1st アルバムをリリース、本作「Carmagnoles」は出来立てホヤホヤの2ndアルバムにあたります。半分以上を占めるフランス語歌詞、ポエトリーな語感が際立つガーリーなヴォーカルのプリミティヴな輝き。さりげないフォックストロットにワルツのリズム、ドブロ・ギターやブギー・ピアノにソプラノ・サックスのアクセントが効いたフォーキー/カントリー・タッチのアンサンブルは'70年代の輝けるフレンチ王道からの系譜にも、自身がフェイヴァリットにあげるアーニー・ディフランコらから連なる現代のインディペンデントなシンガー・ソングライターものとしても、国際的に通用するクオリティを誇ります。クローディーヌとティエリーのふたりによる幻想的なm-12 の最終曲"Avalanche"、ロードムーヴィーの情景が輪廻しそうな逸曲はベルナール・ベルフロワ監督の映画「La Regata」(カンヌ映画祭エントリー作)の為に書かれたもの。地元のリュクセンブルグでレコーディング、マスタリングはU.S. メンフィスで行なっています。