2019/11 売り切れました。
ダンサー出身の女性シンガーとショーロ・ギタリスト、ギンガとも共作する作家による高品質な小編成サンバ作品。
ダンサー出身という異色のキャリアでサンバ界に鮮烈なデヴューを飾り、辺りの空気を変えてしまうシックでエレガントな唄い口にファンも多いマリアナ・バルタール(1stは日本盤もリリース)が、ヴェロニカ・フェヒアーニ/シコ・サライーヴァのデュオ作やパウラ・サントーロのアルバムへの楽曲提供や自身のソロ作ではギンガと共作をするなどMPBの作家としても注目を集める才能 - マウロ・アギラールと、テルノ・カリオカほか多くのグループでギター奏者兼アレンジャーとして活躍するルイス・フラヴィオ・アルコフラのタッグによる書き下ろしの曲ばかりを歌うという作品。ショーロの香りを漂わせる生楽器の編成で、現代的に洗練されたハーモニーを形成するルイス・フラヴィオ・アルコフラのロジカルなアレンジメントが効いています。冒頭のタイトル曲では短調の内省的なモードから伸びやかに羽ばたくような新鮮さを感じさせてくれますし、小振りな尺の中で室内楽歌曲として映像を喚起する風景を描くm-2 "Sem Par"、マウロ・アギラールが唄で参加するm-5 "Enfim Saudade" やm-7 "Nao Cabe Num Quibe"の様にしなやかな小編成サンバから、ギターとアコーディオンに唄、そしてフイ・アルヴィンのクラリネットが切なさをくすぐるワルツm-10"Na Calada da Noite"に、カルロス・フッシのピアノが入ったマルシャ・ランショm-12 "Estreito Infinito"などでは透き通ったアコースティック・ジャズの風情を醸し出し、とじわじわと感慨が寄せる画期的な工夫が随所に。サンバのアルバムの慣例に従って、最終曲 m-14"Genese" はエンヘード・スタイルの華やかな1曲。