「ジャズよりもパゴーチ」、姿勢はジプシー・バンド、演奏は自由度の極めて高いジャズ・サンバ、ジャズ・ボサ! 巷で話題になりそうな大所帯バンドの登場。
リオのボヘミアン地区”ラパ”には多数のカフェ、レストラン、そしてサンビスタやアートを志す人々が集い、サンバやショーロのサーキット(巡回)演奏があちらこちらで行われる。この”ガハフィエイラ”は3年程前に地区周辺をたむろするメンバーたちが集い、街の老ごろつき達からも絶賛を受けてきたバンド。彼らにとって唯一の決め事は、伝統的なフォームをすべて覆してプレイすること。もちろん先人達への賛美の気持ちを忘れずに。ギタリストのガブリエル・インプロタをリーダーに据え、サックス、トランペット、フルートといった管楽器が躍動、インプロヴィゼーションをふんだんに織り込んだジャズの素養のあるパゴーヂ(集団でサンバを演奏するスタイル)で曲構成や旋律、リズムを変幻自在に刷新して演奏する中、女性メンバー・マリアーナ・ベルナルヂスが適所でヴォーカルをとる。
レパートリーはジョアン・ドナートの”バナネイラ”やシコ・ブアルキ”カロリーナ”、ジョビン=ヴィニシウス”オ・モーホ・ナォン・テン・ヴェス”ラメント・ノ・モーホ”、ドリヴァル・カイミ”サンバ・ダ・ミーニャ・テーハ”などサンバ/ボサノヴァのクラシコをプレイ、曲に対するこちらの先入観、イメージを気持ちよく覆してくれる。ギターのガブリエルの曲タイトル”マイス・パゴーヂ・ド・ケ・ジャズ”にあるように「ジャズよりもパゴーヂ」、プレイヤーたちが心から演奏を楽しんでいる様が伝わってくる一枚。トランペットのダルシー・ダ・クルース曲や、”バナネイラ”のリミックスも収録。
1. O Morro Nao Tem Vez
2. Casa Forte
3. Delmiro y Aninha
4. Bananeira / Tim Dom Dom
5. Carolina
6. Mais Pagode do que Jazz
7. Garrafieirando
8. Lamento do Morro
9. Dom Augustine
10. Samba da Minha Terra
11. Ate quem Sabe
12. Serramar
13. Bananeira (remix)