可憐みを演出するコケティッシュな女性ジャズ・ヴォーカルのスタイルで、多彩なボードヴィルの戯けしさからラテン・ブーガルーへと。トリップ・ホップ登場以降の音楽背景の影響を感じさせる憂いの風景をモダン・ジャズ・フォーマットのみに留まらない多彩さでアコースティック楽器の生演奏を従えて描き出します。現地紙でマリーザ・モンチやマル・マガリャンエスと並んで賞賛されるブラジル・サンパウロのシンガー - ブルーベルの新作。
BLUBELL / EU SOU DO TEMPO EM QUE A GENTE SE TELEFONAVA
元々はパウラ・リマと同じくビッグ・バンド編成のサンバ・ソウルのバンド、ファンキ・コモ・ル・グスタ出身の彼女。その後ソロになって'06年に1stアルバム”スロー・モーション・バレー”を発表、その際から絶大なサポートを寄せるサンパウロのジャズ・カルテット (ss, p, b, drs) - ア・デリヴァとの親密な関係をさらに進展させ、大多数を占めるオリジナル・コンポーズをより素敵に磨きあげたのが2ndにあたる本作。ブラジリアン・ジャズの分野ではヨーロッパでもその名を知らしめるア・デリヴァのモットーが”フリー・テリトリー・フォー・インプロヴィゼーション”というだけあって、ピアノとブラシにコントラバスで静けさの中に沸き上がる情感を描き出すのはお手のもの、それだけではなくハモンドやアコーディオンにアナログ・シンセを持ち出したサザン・ロック調の楽曲もあり、半分弱くらいを占める完璧な発音の英語詩パートで俄然ジャズ・ヴォーカルの手法を発揮するブルーベルとのマッチングが非常に興味深いところです。名前とジャケット写真に
準えてテレフォン・ヴォイスにバンジョーで始まるところも憎い演出。m-5とm-10でブラジル巨大フェスへの出演が決定している
トゥーリッパがゲスト・ヴォーカル、m-3とm-9でサンパウロのフォークトロニカ系SSW
ブルーノ・モライスが参加、m-3ではベイビー・ド・ブラジル(aka ベイビー・コンスエロ,
novos baianos )、本編最終曲となるボサ・ノヴァ・タッチの"velvet wonderland" ではペドロ・ベイビー(g, effect, novos baianos) と共作共演。