2021/8/3 新作「3」と共に再評価の兆しを見せる初作、再入荷しました。
クリチーバ出身・在住の女性MPBシンガー、ジュリアナ・コルテスの初作はヴィトール・ハミルもゲスト参加、コンテンポラリー・ジャズの色に染まった演奏と相俟って、アルゼンチン音楽のファンにもおすすめの一枚。
叙情性を携えたセンシティヴな唄い口で、同じく南部出身のS.S.W.ヴィトール・ハミルの曲などをピアノ、チェロ、ギターにパーカッションといったアコースティックな編成で、現代ジャズのエッセンスとタンゲーラの手法を織り交ぜドラマ性を持たせて表現するのがこのジュリアナ・コルテス。ベースのホナウド・サッジオラートとギターのルイス・オターヴィオ・アルメイダ、このふたりのブラジル人音楽家がアレンジを手がけているのですが、パーカッションの用い方や楽器構成が独特で、同郷出身の奇才カルロス・カレカ作"Achado" のパンデイロや、ジュニオ・バヘート作の名曲m-7"Santana" が登場するまでコンサヴァティヴなブラジルらしさに気付かないほど。現在のブエノス・アイレスのインディペンデント・シーンで大人気のリサンドロ・アリスティムーニョ”Tu nombre y El mio" (1stに収録)のドラマティックなカヴァーや、タンゴ・クラシコである最終曲のオメロ・マンシm-8"Negra Maria" などパンパの澄んだ空気を持ち、一飛びに南へと連れて行ってくれる好盤。エンボス加工されたアートワークも雰囲気あります。