LISANDRO ARISTIMUNO / MUNDO ANFIZBIO

型番 52190
販売価格 2,200円(税込)
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前作の2枚組「Las Cronicas del Viento」が栄誉あるガルデル賞ROCKPOP ALTERNATIVO部門最優秀アルバムを獲得。BsAs、いまやスペイン語圏全体で希代のインディペンデント・ヒーロー、リサンドロ・アリスティムーニョ待望のニュー・アルバムは両生類がテーマ。

日々の由無しごとに囚われた我々の想像力の遥か向こう、新しい景色を尖った感性と憂いを帯びた唄声で見せてくれるリサンドロ・アリスティムーニョ。ターコイズ・ブルー(1st)、雨情風景(2nd)、39度の熱に冒されたり(3rd)、パタゴニアで生まれ偏西風に載る風の物語(4th)、そして5枚目は”両生類の世界”。水の中で生まれ育ち陸に上がるという一生を送るカエルなどの両生類と、文明を持った我々人類の対比。新刊のようにハードな装丁のうえで際立つガブリエル・サインスによる描画では、ビルディングから排水された水の中にオオサンショウウオからウミガメ、ヒレのついた象まで生息し、ビジネスマンがカエルを乗りこなし共生してゆくという架空の幻想世界が繰り広げられています。サウンドの方は前作から更にダイナミズムを増し、それこそ水の中を思わせる陰鬱なトーンと、乾いた草原の夢想世界が転換に継ぐ転換で劇的に展開されます。2nd以降貫かれている弦楽とフォークトロニコの融合というのも健在、レイラ・チェロ、ルーカス・アルゴメド、セシリア・ガルシアと現代の弦楽四重奏を提示したユニット - 元ビセラクラッシュの面々を中心にチェロx2、ヴァイオリンx2のチェンバーな響きが流麗にアンサンブルを彩ります。レイラと共に活動するバンド - パラモや、トミ・レブレロのバックなど広く活躍するカルリ・アリスティーデのギターやロンロコもアコースティック楽器とエレクトロニクスが共存するリサンドロの音楽では重要なファクター。また今作では多くのデュエット・パートを設けているのも特筆すべき事柄で、80年代末からシーンを湧かせたディビディードスのリカルド・モジョ、マン・ライの女性シンガーだったイルダ・リサラスー、パンクのブン・ブン・キッドがゲスト参加、と現代の先鋭的な存在からアルゼンチン・ロック・レジェンドにも敬意が払われています。冒頭のエスニックなパーカッションで度肝を抜いたあとファンタジアへと展開するのはアートワークにも描かれた架空の象の物語"elefante" 、その直後、リズム・ボックスとスクラッチにサンプラー、e-ボウに弦楽が鬩ぎあう"un dolar, un reloj y una frase sin sentido"(=一ドル、時計と無意味なフレーズ)には前述のリカルド・モジョがゲスト参加。陰鬱に沈んだムードに光の道標を与えるという役割でイルダ・リサラスーの女声ヴォーカルが登場する"por donde vayan tus pies" (=あなたの足はどこへ行く)と、この2曲の歌詞テーマは特に本作コンセプトの真意に倣っており、資本主義社会にて楽しむ為には仕事をしてお金を稼がねばならないという二重生活を"両生類”に準えて、また本作レコーディング中に一児の父になったというリサンドロ個人としても「我々はどこから来たのだろう」と疑問を抱いたと云います。そしてタイトル通りの"anfibio"や続く”igual que ayer" ではヴォイス・サンプルをカットインしたり、ピッチを落とした"水中声"を出しながら弦楽と一級のメランコリア旋律をめくるめく展開。スキャットと子供声のコーラスにメロトロンやハープシコードでオーロラの幻想世界を描いたフォークトロニコm-8 "aurora boreal"や、フォルクロリコな複合リズムにポエティックな唄メロディと滑らかなストリングスで包み込むように昇華してゆくm-10"pozo" (=井戸)は強烈に惹き付けて止まない逸曲、ポップ史上にその足跡を刻む素晴らしいアレンジが施されています。

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