新世代派ブラジル音楽を代表するひとり、モレーノやドメニコとの"+2" プロジェクトで、アドリアーナ・カルカニョットのバックで、度々来日を果たしているカシン。昨今ではプロデューサーとしてもその名を挙げています。自身の名義では「フューチャリズモ」以来ひさしぶりのリリースですが、元来の音楽オタクぶりが遺憾なく発揮されています。70's ヴィンテージのMPBやサンバ・ホッキに見られるようなエレピの使い方、ドラムの質感。サイケなトレモロを効かせたギター。そこにフワフワしたカシンのヴォーカル。エレクトロ・ディスコから、ステレオラブのようなスペイシーな音使い。しかしリズムの多様性、咀嚼ぶりはさすがブラジル、欧米モノの追随を許さないでしょう。前作「futurismo」からリフを持ってきて、更に発展させ新しい曲を生む"Lin Quer"などの手法は音楽を大事に思う彼らならでは。 大洋レコード店頭には、
POLACO SUNSHINE のアルバムで体験済なのですが、3Dメガネが付属した3Dアートワークもパッケージに関するこだわりが感じ取れます。
ヴァネッサ・ダ・マタのバックでも共演しているドナチーニョ(key、ジョアン・ドナートの息子)、オルケスタ・インペリアルでも共演するステファン・サン・ジュアン(drs)らがレコーディングに参加。