奇しくも同じ発売日となりましたティンチョ・アコスタの新作「シレンシオ」の一曲目にもゲスト参加して居ります、S.S.W.のロドリゴ・カラソ。前作「Oir e ir」でもビートルズへのオマージュあり、天文学への言及ありで文系ロマンチストの一面を覗かせていましたが、インパートメント社からの国内盤CDとしてリリースされた本作では、ブズーキやマンドリンからシンセ・パッドまでマルチ奏者としてサウンドを俯瞰してコントロール、m-8"valparaiso"でフィーチャーされているマグノリア・クアルテート・デ・クエルダスによる弦楽四重奏やディエゴ・コルテスのバス・フルートも参加し、そのハイブリッドぶりに磨きが掛かっています。本作のレコーディング・エンジニアも務めたフアン・ペドロ・ドルセ(ビーチョフェオ・トリオ、カスターニャス・デ・カフー)がギターで参加したり、クララ・プレスタとのデュオ作も発表しているフェデ・セイマンディ(b)、プエンテ・セレステで知られるサンティアゴ・バスケス(drs)ら多くのミュージシャンが参加。m-4"Só para ficar"には、ブラジル・サンパウロのノーヴォス・コンポジトーレス、ト・ブランジリオーニがゲスト参加。同郷コルドバのS.S.W.アンドレス・ムラトーレのきょうだいでデザイナーのパウリーナ・ムラトーレによる装丁、カルロス・アギーレによる賛辞のライナーも相まって、完璧に準備の整ったロマンティックな航海という風情の唄たちを届けてくれます。
一度聴くと優しく耳に馴染むその穏やかな歌声。カルロス・アギーレが主宰するシャグラダ・メドラからの最新のアーティストは、新たな才能が集まるアルゼンチン第二の都市、コルドバ出身のシンガー・ソングライター/マルチ・プレイヤー、ロドリゴ・カラソ。河沿い音楽のゆったりとした伝統的リズム、アコースティックで奥行きのある音の空間、伸びやかで繊細なニュアンスをもつ歌唱、多重録音コーラスやエフェクトを効果的に配したアレンジから曲全体の構成に至るまで、非凡なセンスが隅々まで宿った特別な作品です。bar buenos aires vol.17 (メーカー資料より)