2024/5/21 売り切れました。
このパライーバ出身、サンパウロを拠点に活動するピアノ奏者の存在を意識しだしたのは、2017年に発表されたアコーディオンのマエストロ - トニーニョ・フェハグッチとのデュオ作から。以来、女性シンガーのヴァネッサ・モレーノや天才ベース少年として話題になったミカエル・ピポキーニャを伴ってのスイス・ツアー、そしてヴァネッサ・モレーノとの色鮮やかなデュオ・アルバム、と着実にキャリアを積み上げているサロマォン・ソアレス。9割を自作で収めた本作からは、水面を飛び跳ねるように舞う速いパッセージとめくるめくリズム展開、サンパウロのジャズらしい洗練と清廉を存分に感じ取ることができます。どこかしら、サロマォンと共演経験もあり多大な影響を与えていると思われるエルメート・パスコアルやイチベレ・ツヴァルギ、またはエギベルト・ジスモンチらとも通じる攻めの音楽でありながら、冒頭から微かにヴォーカリーズが聞こえてきたりとハーモニーの美しさを重んじる芸風がまた特徴的。drsで参加するパウロ・アルメイダはエルメート一派のプレイヤー、bのチアゴ・アルヴィスもまたエクスペリメントなユニットでも活動しています。バスキアの描画にインスパイアされたというタイトル曲"Colorido Urbano"(都会の色合い)がまさしくサロマォンたちの音楽に相応しい形容。唯一のカヴァーはスタンダードの"My Favorite Things"、ここにも驚きの解釈を施します。