2019/5/11 売り切れました。ブラジル盤は入荷しません。
インディー・フォーク/フォークトロニカにロジカルな要素を絡めた、フーベルの話題作
カリオカのS.S.W.フーベル・ブリゾーラの5年ぶりとなる新作は、冒頭から弦楽オーケストラによるロマンティックな調べに導かれ、リズムボックスのゆったりしたビートを交えると、朴訥で陶然とした詩的なフーベルの唄が顔を覗かせるm-2"Colégio"からm-3"Cachorro"、そしてm-4"Pinguim"へ、まるで親密な日常のサウンドトラック、或いはサウンド・インスタレーションのような一連の流れを持っています。フーベル自身によるギターでサンバのバチーダを刻むm-5"Casquinha"やワルツm-9"Explodir"のような楽曲もあれば、ラッパーのエミシーダをフィーチャーしたm-7"Mantra"、ヒンコン・サピエンシアをフィーチャーしたm-11"Chiste"のように緩やかなヒップホップ・トラックも。鍵盤奏者アントニオ・ゲーハの秀逸な編曲術はもとより、メロウなローズが映えるm-10"Sapato"やm-13"Partilhar"にうかがえるのは郷愁漂うアーバン・ソウルのエッセンス。これらフーベルの豊かな想像力の賜物というだけでなく、チン・マイアのサンプリングにジルベルト・ジルの引用、とロジカルな見せ方も心得ているのがニクいところ。現地でサブスクリプション/デジタルでの公開以来、メディア、フェスへの出演と露出の増え続ける話題のアルバム。ぜひフィジカルなCDで、ブックレットに掲載された多様な建築の写真も見ていて楽しいです。