奇才カルロス・カレカが80年代、90年代ヴァングアルダ・パウリスタ・ムーヴメントの楽曲にオマージュを贈った作品が登場。シコにタチアナ、マリオ・マンガにパウロ・ブラガ、トニーニョ・フェハグッチ....驚きの豪華参加音楽家陣、多数。
ブラジルのサンパウロで80年代を中心に巻き起こったムーヴメント - ヴァングアルダ・パウリスタ。先鋭的な感覚を持ったミュージシャンたちがロックやMPBの中に知性を感じさせる実験的な要素を組み入れたものでしたが、自らもその流れを汲んだ音楽シーンに身を置き、近年では
マリオ・マンガprodの傑作アルバムや
7人のピアニストを起用したアルバム、そして
アンドレ・アブジャムハの共同制作者と作った最新作「Made in China」と目が離せないほどに精力的なカルロス・カレカが発案者/プロデューサーとなって文化機関SESCで制作されたアルバムが本作。冒頭からパウロ・ブラガのピアノに載せて、シコ・ブアルキがグルーポ・フーモの"Ladeira da memoria" を唄えば、カレカ自らはイタマール・アスンサォンの"Nego dito" をチェロ奏者としても知られるマリオ・マンガの演劇要素たっぷりの室内楽アレンジで唄います。ニコ・ニコライエヴスキー&アデルバル・フレイリ・フィーリョ作の"Cancao das mulheres do harem de lampiao" はチアゴ・コスタのアレンジでパウロ・ブラガが弾くという贅沢さのなか、A.ベエウサエルトとのデュオ作で見せたような流麗さを持って自分のスタイルとして提示しています。サルヴァドール出身で海の匂いのする穏やかなサンバを披露しているヴァニア・アブレウに続き、膨大なテキストの量を誇るルイス・タチの"A Companheira" を再度
タチアナ・パーハが、そしてミュージカルの為に書かれた佳曲"Padaria" を作者のマリオ・マンガと娘の
マリアナ・アイダールの父娘デュオで収録しています。ちなみに本作でマリオ・マンガは主にギターをプレイしています。ヴァングアルダ・パウリスタの重要人物アヒーゴ・バルナベー作の"Londrina" は
トニーニョ・フェハグッチのドラマティックなアコーディオンを背景にカルロス・カレカが唄い、他にもネイ・リスボアやマルセロ・プレット(バルバトゥーキス)らが参加。同内容のショーも絶賛の評価を得ている様子です。