脅威の高速ファンファーレとスウィング!なのに唄ものとしても明確な趣旨が見てとれる。ストンピンなダンスを喚起させんとする南仏ボルドー出身のバンド。ルーマニア勢のようにベースはチューバとコントラバスの二本で2ビート、ジャヴァから変拍子まで強固に足下をかためる。そしてダイアトニック/クロマチック、どちらも弾けるアコーディオン奏者と女性フルート/プレイヤーの掛け合いで唄われるデュオ。東欧ロマやクレツマーにマヌーシュ、ロック・ステディー/スカの影響も見て取れるどこかユーモラスで物悲しい旋律も、総勢8人の厚いアンサンブルと自在な早さで聴くものに驚きと喜びを与えるものへと昇華してしまう。m-1はトラッドをインストで、m-8はジョルジュ・ブラッサンスのシャンソンに手を加えたもの。おすすめ!