'16/6/14 再入荷しました。
フェルナンド・レイツケはリオに在住という事で、リオ・デ・ジャネイロに培われたサンバ・バツカーダとカヴァコを伴ったリズミックな自作曲"Chaleira quente"でダイナミックに跳躍したかと思えば、ハダメス・ニャターリの"Vou andar por ai"やピシンギーニャ"Mundo melhor"ではいにしえのサロン・ミュージック然とした粋で優雅な音風景を描いてみせます。かと思えば、キューバ人ピアノ奏者ルベン・ゴンサレスの"Melodia del rio" ではゆったり横にスウィングするボレロを、そしてエドゥアルド・ネヴィス(flute)が参加した自作曲"Sargento borracho"や、ウルグアイの音楽家ルーベン・ラダ作"Candombe para Gardel"ではガウショらしくカンドンベのリズムを、どれも情熱のこもった鍵盤さばきで雄弁に体現。このひとの驚くべきところは、ベースのグト・ヴィルッティやドラムスのオスカル・ボラォンの強力なリズム隊に負けずとも劣らない独自のリズム・フィールと打鍵で、ブラジル音楽そのものとしか思えないグルーヴをもたらしている処。そのおかげでシネマティックに叙情的な"Radamesiando"や"Pequena folha" がより際立って聴こえます。自身の過ごした土地の風景をインストゥルメンタル音楽で詠んだ、広大でドラマティックな現代のブラジル音楽。