MARIANA DE MORAES / DESEJO

型番 BF 311-2
販売価格 2,547円(税込)
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'19/10/1 売り切れております

'07年に発表の「Se e Pecado Sambar」はジョビン"Fotografia”から始まる絶好のボサ・ノヴァ・アルバムとなって長く売らせて頂きました。ボサ・ノヴァの、ブラジル音楽の歴史になくてはならない詩人ヴィニシウス・ヂ・モライスの孫娘にあたるマリアナ・ヂ・モライスが、自身の詩的で繊細な表現で敬愛を集めるサンパウロのゼー・ミゲル・ヴィズニキや、マリーザ・モンチらのプロデュース・ワークで知られるアレー・シケイラ、打楽器奏者のマルセロ・コスタらと作った通算3作目。

マリアナ・ヂ・モライスは'69年のリオ生まれなのですが、本作にはボサ・ノヴァやサンバという枠組みに囚われることなく、前衛的で詩的なサンパウロのエッセンスと、海の匂いのする往来のブラジル音楽のエッセンス、双方を含有しています。映画女優としての生業もありながらの音楽活動、キャリア30年で単独名義ではわずか3つのアルバムと、寡作なひとですがその分濃厚な思い入れと、この人が演る必然性が発揮されて来た、と感じます。ボサ・ノヴァ的なクルーナーで唄われる声は幾分コンプレッションされて、様々な工夫が凝らされたオーケストレーションに正対、不思議な高揚感を全体で生み出しています。冒頭ドリフでお馴染みのラテン・クラシコ"Taboo" に挿入される"Canto de Iemanja"、リンコルン・オリヴェッティの管弦アレンジがエレガントに作用するm-3"Vai e Vem"、ガル・コスタの名演で知られるm-4"Flor do Cerrado" はサシャ・アンバッキ(key)、ジェセ・サドッキ(tp) らが参加して華やかにモダナイズ。ゼー・ミゲル・ヴィズニキ作のm-5 "Assum Branco" は故ドミンギーニョスが最晩年に参加して現代的なフォホーとなっています。ヴィズニキのピアノをバックに親密に唄い上げるm-7"Cacilda" のそこはかとなく漂う詩的な佇まい、アドリアーナ・カルカニョット作のm-8"Mativos Reais Banais" ではアドリアーナがパルチンピンでみせたキッチュな音使いを踏襲しながら共作者の故ヴァリー・サロマォンの声をサンプリング、オマージュを捧げます。全編でベースを担当するグト・ヴィルッティの小気味良いギターとハンド・クラップを中心に据えたサンバのリズム、サルヴァドールを拠点とするガニャデイラス・ヂ・イタプアのコーラスで優美な祝祭感に包まれるm-10"A Mae d'Agua e a Menina"、全編を通して斬新なリズム構築を手掛けるマルセロ・コスタに端を発するサンバ・エンヘードのバツカーダに朗読ともラップともつかない詩的な前衛表現で魅せるm-13"A Liberdade" まで、祖父ヴィニシウスをはじめとするブラジル音楽を芸術の域に導いてきた先達へのオマージュと斬新で論理的な幾多ものアイディアが詰まった好盤。


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伊藤亮介



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