エレクトロやポップ・ロック、アンビエントにジャズ、リスナー、プレイヤー、音楽ジャンルや国籍の如何を問わず皆の寵愛と尊敬を受けるミュージシャンといえばアイスランド出身のビョーク。遠く離れたアルゼンチンのブエノス・アイレスでビョークの楽曲を17人の打楽器編成でカヴァー、というプロジェクトが派生。
実験的フォルクローレ打楽器集団ラ・ボンバ・デ・ティエンポでの活動のほか、ルシオ・マンテルなどS.S.W.のバックに自身のコンポージングによるソロ・プロジェクトと打楽器奏者/コンポーザー/シンガーでマルチに活動するアンディ・インチャウスティの画期的な新機軸は、17人の打楽器奏者にひとりの鍵盤奏者、そして女性ジャズ・シンガーのジャスミン・プロダンでビョークの世界的な名曲たちをバトゥーキ、迫力の打楽器アンサンブルでカヴァーしようというもの。打楽器もアフリカ伝来のジャンベにお隣ペルー発祥のカホン、ブラジルのサンバ打楽器スルド、キューバでよく用いられるコンガ、と各地の様々な要素が入り組んでゆく様は圧巻。芯のしっかりしたジャズ・マナーの節回しで英語歌詞の発音も綺麗なジャスミン・プロダンのリリカルで情感たっぷりのヴォーカルも打楽器に負けず、存在感を放っています。"Human Behaviour"、"Violently Happy"、"Hyperballad" と社会現象ともなったビョークのソロ初期の曲、トリッキーとの共作曲"Enjoy"など南米流にまったく斬新な解釈のビョーク、元曲の素晴らしさにも驚かされること必至。
メリーナ・モギレフスキーがゲスト・ヴォーカル参加。