Lola Arias & Ulises Conti / Los Que No Duermen

型番 METAMUSICA 008/11
販売価格 1,980円(税込)
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2020/6/28売り切れました。

前作のピアノ・ソロ「Posters Privados」のCDで、LPで、イマジネイティヴでシネマティックな音楽のコンポーザーとして、マルチ・インストゥルメンタリスタとしても高い評価を受けるウリセス・コンティ。大洋レコードではロング・セラー・アーチストのひとりとなっています。その実、私が昨年にBsAsを訪れた際も、市の文化施設に設置してあるトロピカルなポスターやパンフで告知されていた映画作品の音楽監督がこのウリセスだったり、アート文化を志向するものたちの中では広く認知された存在。一方今作のパートナーであるローラ・アリアスは劇作家であり、女優であり、詩人であり、ロック・ミュージシャンであり、と幾つもの顔を持つ才女です。彼女の物語は英語で、ドイツ語で、フランス語で翻訳され出版されています。このふたりのデュオ名義では'08年に「El amor es un francotirador」というアルバムをリリースしており、ウリセスの不思議な響きを持ったチェンバー・ミュージックという作風から一転、ガレージ・サウンドでポエティックなトロバドール然としたもの、という驚きの1枚でした。今回の新譜はこのデュオ名義で。

'09年に上演されたローラ・アリアス作「Mi vida despues」では'70 - 80年代生まれのもの達がアルゼンチンに暮らすなか感じた思いを、同世代ミュージシャンのリサ・カスージョが好演、サウンドトラック的な顔を持った本アルバム作品に気付いたのもリサ・カスージョの「Velvetbonzo」が到着した際に背景を調べていて発見したものとなります。 さて本作タイトル「Los Que No Duermen」とは「寝ていない人」という意味で、内容はといえば、50年代の音に触発された”夜”のムードを持った唄ものアルバム。スプリング・リバーヴが全開に掛かった幻想的に揺れるギター・トーンのなかを微睡むようにポエット・リーディング、そして夢見心地のロマンチシズムを子守唄のように口ずさむタイトル・トラックのキュートなメロディとメタロフォン、管を伴ったフォーキーなアンサンブルがどこまでも続く豊かな宴の狂躁を想起させる"Nadie va a saver" (=誰も節約などしない)、少女性を保ったローラ・アリアスのプリミティヴな唄声がアコースティックなワルツに同調する"La sonambula"(=夢遊病女性)、とまるで私小説の登場人物たちの夜間行動を切り取ったような小詩曲から、家庭の中で失地した人たちのメランコリーをチェロや生ギターにピアノと沁みる深遠な音色で描き出したm-7 "Las nubes en camara lenta"(=スローモーションの雲) やm-8 "Lazos de familia"(=家族の絆)といった心揺すぶられる佳曲。終盤はロカビリーな一曲を経て、ポエトリーな最終曲で突然のシャットダウンという劇的なフィナーレを迎えます。(最終曲でラスト10秒強を残し音が途切れます。作者の意図によるものと思われます。)

http://ulisesconti.bandcamp.com/album/los-que-no-duermen

LOLA ARIAS Y ULISES CONTI - LOS QUE NO DUERMEN - TRAILER from Ulises Conti on Vimeo.


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