'17/6/17 売り切れました。
キコ・ヂヌッチのデザインによる三つ折り紙ジャケットに歌詞カードというアートワークを重視した仕様で、盤は工場製CDRとなっています。キコ・ヂヌッチとホドリゴ・カンポスのツイン・ファズ・ギター(勿論electric)に、客演のチアゴ・フランサ(sax)らの硬質な単音リフにインプロヴァイズされたブロウが叩きつける中をしなやかに唄い上げるジュサーラの力量たるや。
アルバムのコンセプトとしては死という重い題材をテーマにしていますが、限りある命のなかでの復活再生や転機、これらの題材が生み出す詩。サイコな単音フレーズの複合のうえ自在に言葉に音程を乗せるジュサーラは、打楽器レスの編成にも関わらずヒップホップさえ超越したかのように独自のリズムを醸し出します。ヴァングアルダ・パウリスタ・ムーブメント期のイタマール・アスンサォン作m-8"E o quico?"しかり、同様にハベッカ(北東部のヴァイオリン)奏者のトマス・ホウメルが曲中で重要な位置を占めるm-6"Ciranda do aborto"も導いてるのはジュサーラの呼吸と唄の力。トン・ゼーの二作前(「Tropicalia lixo logico」)に収録されているm-9"Nao Tenha Odio No Verao"のカヴァーでは思い切り叫んでいます。特に耳を惹かれるのがキコ・ヂヌッチのバンド・プロジェクト - アフロ・マカロニコにも参加する音楽家ダグラス・ジェルマノが書いたm-2"Damiao" とm-7"Cancao pra ninar oxum"の佳曲ぶり。後者ではムビラとハベッカを背景に優しく唄うジュサーラ・マルサルが見られます。