'16/12/12 売り切れました。
秋から冬へ、寒さも増して室内で過ごす時間も多くなってくると思いますが、傍らに置きたいのは温もりを感じられるユニークな音源。サンパウロの女性S.S.W.ハイッサ・ビッタールの二作目は、ビッグバンド・ジャズからショーロまで、物語性を持ったコンセプチュアルでオールド・タイムなムードを醸し出しています。プロヴェータ、ヒカルド・ヘルス・トリオ、スポッキ・フレーヴォ・オルケストラ参加
ミュージカルの舞台女優として賞も獲得しているハイッサ・ビッタール。台湾への留学経験も活かした中国語の唄などを朗らかに披露したデヴュー作「Voila!」から数年、やはり演劇、レヴューの要素が見られるコンセプチュアルな新作を発表。日系人デザイナー、ジュン・ナカオの作品で描かれたオブジェたちに端を発し、洋梨や古びた電話帳、フェルメールが描いた少女、それぞれが物語の登場人物やアイコンとなってそれぞれのストーリーを語り始めるという内容。冒頭"Lista" はナイロール・プロヴェータ率いるビッグバンド・ブラスのアレンジとジャズ・ヴォーカル的に映えるハイッサのフェミニンな唄い口で、往年のボールルーム・ダンス・ナンバーを彷彿とさせたかと思えば、m-4"A magnifica histria ~ " では、ヒカルド・ヘルス、ミッヒ・フジチュカ、ペドロ・イトウのトリオが参加したメランコリックなアコースティック・チューンを詩的に歌い上げ、as-ts-bs サックス三管のハーモニーだけをバックに語りかけるブルーズm-7"A foto"、カヴァー・アートに登場する雨に濡れたタンボリンが活躍するオーセンティックなサンバのm-10"Gotas sobre um velho tamborim"、華やかなビッグバンド・ジャズでブラジル音楽のリズムを演奏するm-11"O guarda chuva"、パウロ・パディーリャ、パウロ・タチ、パウリーニョ・モスカ、パウリーニョ・ボカ・ヂ・カントールと4人の"パウロ”をメインに、ガヤでジゼリ・ヂ・サンチやウ・テルノのメンバーが参加して繰り広げるマッチ箱のサンバm-13"Palitoterapia"、ピアノと弦楽を従え澄み切った夜空のテーマを唄うm-14"Materia Estelar" のロマンチックなムード。前作に引き続きダニエル・ガリ(g)のコンポーズとディレクションを基盤に、想像の産物を膨らむだけ膨らました「おとぎ絵巻」、表現の豊かさに満たされます。