NICOLAS RALLIS / SALTAR AL VACIO

型番 EH005
販売価格 2,373円(税込)
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'16/5/5 売り切れました

フォルクローレを解体、再構築してスゴ技ものとして提示するプログレッシヴ志向の新世代バンド - アンサンブル・チャンチョ・ア・クエルダにギターとヴォーカル、コンポージングで参加するニコ・ラリス。S.S.W.として二作目となるアルバムはトリオ編成による研ぎすまされたアコースティック・サウンドと独創的な唄メロディで魅了する作品となっています。

すべての若き音楽家は、まず自分自身の為に、表現意欲に忠実に活動を行なっていると思うのですが、ふとした瞬間に聴き手の気を惹く取っ掛かりが生まれ、作品の仕入れなど経済活動に発展するということがままあります。私がこのニコ・ラリスの音楽に始めて触れたのは映像サイトで、ひとり弾きがたるラリスのシーンでしたが、なにせ曲が"変"なのです。確かなギターの腕前で単音のフレーズを紡いで行くのですが、そのメロディをそのまま唄ってしまうという内容でした。本アルバムには収録されていないので前作の楽曲だとは思いますが、「何だろう、この人」と気に掛かる存在となりました。

並行して活動しているアンサンブル・チャンチョ・ア・クエルダから、ドラム奏者のアグスティン・ルメルマンと、マルチ奏者のラウタロ・マトゥテをベースに据えたトリオの編成で、鉄線ギターやロンロコ(m-2"Cancion para Cacho", m-7"Que no se me va") なども用いながら、川沿い音楽の瑞々しさとメランコリア、フォルクローレの変則拍子リズムが生み出す非常に独創的な唄メロディで紡いで行きます。カウンターコードの用い方がコンテンポラリー・ジャズ的なニュアンスを醸し出すなか、egのハイブリッドなリフが響いたり(m-1 "No me acuerdo que sone")、カリンバとチェロの荘厳なアンサンブルのなかを漂うm-4"Viajes largos"、m-6"Soltar"のように憂いに満ちたメロディで胸を締め付けたかと思えば、m-8"Como vos" のようにフォルクロリな掛け合いで晴れやかな牧歌的風景を見せたりも。ウドゥとアルペジオの残響のなかを幻想的に浮遊するm-10"Sera" に代表されるように、現代的なのにアコースティックな空気感を持った郊外の景色が最も似合う作品であると思います。



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伊藤亮介



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