サンパウロの新潮流―ノヴォス・コンポジトーレスのシーン、ジャズなどとブラジル音楽の素養があるミュージシャンたちにより興隆したフレッシュな音楽の数々。これらはダニ・グルジェルの「Nosso」「Agora」に端を発して広がってゆきました。タチアナ・パーハのソロ・アルバムなど多くのアルバムでもドラムスを担当するダニの夫、チアゴ ・"ビッグ”・ ハベーロ、アレンジに定評のある母デボラ・グルジェル(p)、その彼女のソロ作「Debora Gurgel」、そしてそこでベースを演奏しているシヂエル・ヴィエイラも参加して4人でジャズ的手法の一発録りにてレコーディングされたクアルテートの前作「UM」、東京JAZZへの来日を経て真のファミリー的グループに因る連綿とつらなる新鮮な音楽の冒険が再び。
娘が母に投げかける純粋な問いを唄にした"Ne?" に始まり、コンテンポラリー・ジャズの様相を呈すヴォーカリーズ入りのタイトル曲"Luz"、新たな試みとしてデボラがep を演奏し、ポリリズムで大きく姿を変えたカヴァーのm-3"Sai dessa”、エリス・レジーナが歌って有名になった曲ですが、リズム隊の二人はセーザル・カマルゴ・マリアーノのショー・メンバーとしても参加、エリスのトリビュート盤でも演奏しているためこの国民的歌手のレパートリーの再解釈ということに喜びを見出しているに違いありません。ブラッド・メルドーの楽曲のハーモニー構成をベースにブラジル産(トニーニョ・オルタ=ホナウド・バストス)のメロディとことばを載せたm-4"Viver de amor + Unrequired"、 そして世界的に知られた名曲でポリスのカヴァーm-6"Every little things she does is magic"、この透明感と瑞々しさ。良いことも残念なことも起き得る日常に思いを馳せた連作"Toada"(シンプルなメロディの歌曲)と"Um dia"(ある日)、日本での思い出を唄にしてコンピレーション「Coffee & Novos Compositores」にも収録された"Terra do sol" (光栄ながら弊店のことも歌詞に出てきます)、フィロー・マシャードに捧げられた"Meu amigo Filo"、デボラのクラシカルな素養を活かし美しいハーモニーを生み出す"Aurora"などオリジナルの佳曲たち。音の質感からしますと名盤「Nosso」の活き活きとしつつも洗練された感触に非常に近しい音処理がなされているように感じますし、ブラジル音楽好き、ジャズ好き、あらゆる音楽好きの皆さんに楽しんで頂けるのではないかと思います。常に新鮮なアイディアと演奏の喜びで気持ちを満たしてくれる、そんなアルバムの登場。
先着順にてお付け致します特典DVD は "ne?" "luz" "poucas palavras" "toada" "meu amigo filo" "aurora" の6曲、レコーディング演奏風景を収めたPV集となっています。