70年代終わりのヴァングアルダ・パウリスタを代表するグルーポ・フーモでキャリアを開始、その後ソロ・キャリアでMPB部門の賞を総なめにし、アンドレ・メマーリとの共演盤やカルメン・ミランダのトリビュートなど興味深い作品を幾つも発表、知性とアーティスティックな感性、繊細でヴィヴィッドな歌表現が新世代のパウリスタたち、トゥリッパ・ルイスやパウラ・ミリャンらに大きな影響を与えています。そんなナー・オゼッチが実兄であるダンチ・オゼッチや、前作、前々作をプロデュースしているチェリストのマリオ・マンガ(eg, cello)、セルジオ・ヘジ(drs)、ゼー・アレシャンドリ・カルヴァーリョ(contrabass) のバンド編成と共同作業、ミナスのマケリー・カや、パッソ・トルトやメタメタで活躍するキコ・ディヌッチ(m-6 "Lizete" で興味深いデュオを)、トゥリッパ・ルイスらをコラボレイト相手に選び、同時に哲学的といわれるS.S.W.のルイス・タチと兄ダンチのコラボレイト曲に、マヌ・ラフェールの曲 etc.. 世代を超えて再評価される自身を育んだ音楽シーンにコミットしてゆきます。m-4"Minha Voz" には同じ実力派シンガーとして評価の高いモニカ・サウマーゾが参加、ミニマムな編成で効果的に音を配してゆくリリカルな佇まいと、ドラマティックな展開、そして胸を熱くさせるダイナミズムのすべてが含まれている希有なアルバム。