トミ・レブレロ・イ・プチェロ・ミステリオーソの一員としてのユニークなパフォーマンス、そしてひとりのフォルクローレ・シンガーとして。アルゼンチンの港で、そして平原で育まれたリズムを持ち前の瑞々しく澄み渡った唄声とインテリジェンスな感覚で若い同時代性のポピュラー音楽へと刷新することに成功した'75年生まれの表現者アナリア・シリオ。パーマネントに参加して常に彼女の唄と共にあるアレホ・シャツキーのギターとマンドリン、盟友トミ・レブレロのバンドネオンなど、打楽器を含まないシンプルな編成によって慈しむように丁寧に、柔らかいタッチのもと綴られる旋律と言葉。そしてレオン・ヒエコの録音に呼ばれるなどし、仲間と共に己の求める音楽表現を探究してきた結果にセシリア・サバラ、ルイス・グレビッチ、ウーゴ・サトーレ、ルーベン・セゴビア、ファブリコ・ロドリゲスと多くの友人であり名プレイヤーたちが彼女のアルバムでコラボレーションすることとなりました。ソロ名義では初のアルバムながら07年度のガルデル音楽賞”フォルクローレ優秀女性歌手”にノミネイトされたアルバムです。地球の裏側で想いを込めて唄われた作品は、優雅に優しくスピリチュアルで、胸に沁み渡るように響きます。