2022/3/12売り切れました。
アカ・セカ・トリオのメンバーとして、またリリアナ・エレーロらの演奏メンバーとしても知られる打楽器奏者のマリアノ・”ティキ”・カンテーロ、その妻にしてシルビア・イリオンドのバックやエルメート・パスコアルのトリビュートを行なうなど革新的なアイディアを持ったフォルクローレ・グループ - バンダ・エルメティカのアコーディオン/鍵盤奏者/シンガーであるアナ・アルチェッティ、アナの兄弟で同グループのベース奏者の他にベト・カレッティのバックも務めるマルコス・アルチェッティ、腕もセンスも抜群のラ・プラタ出身の"家族"3人がイチベレやウーゴ・ファットルーソにセルジオ・サントス、カルロス・アギーレら南米中のレパートリーに共感を覚え、アルゼンチンのカンドンベにチャカレーラ、ガトとルーツ・リズムを基盤に現代流に洗練された独自解釈で書かれたオリジナル・コンポーズ、これらを提げてライヴを行なったことに端を発する音楽家ユニット。アルバムに於いては、アナが滑らかな生ピアノの演奏に澄んだ空気をスキャットで震わせ、あとの二人が美しいハーモニーを形成する"Contiene Parana"ではじまり、マルコスが作曲し自ら唄う川沿い音楽のフォルクローレ・ジャズ"Destinos cruzado"などにはギターでディエゴ・ロロンが、ルス・デ・アグアなどで知られる音楽家セバスチャン・マッキ作曲の”El amanecer y el valle"にはマリアノの兄弟もコーラスで参加、多くのカヴァーを生み出しているウルグアイのハイメ・ロース作の名曲"Carta a poste restante" の息を呑む美しさは本アルバムのハイライトでもあります。ブラジル音楽の分野から世界的にその名を知られるハーモニカ奏者のガブリエル・グロッシの客演が冴え渡る"Tudo Certo"やポルトガル語歌詞が載った”Revendo o Pampa" ではアナがジャズ調のエレクトリック・ピアノをプレイ、70年代の華やかしきブラジル音楽を彷彿とさせます。アナと同じく女流ピアノ奏者として活躍する大ベテランのイルダ・エレーラ曲に、ヴェネズエラのフォルクローレ大御所シモン・ディアス曲、一際叙情的な風景を描き出すインストゥルメンタリルの"Azul luz" にはフルート奏者のフアン・パブロ・ディ・レオーネが参加、と多彩な表情を持ったアルバム。牧歌的なユニット名に反し特別に充実した音楽内容をこれでもかと満載しています。