ピアノにギター、自身が紡ぐ鮮度の高いアコースティックな音色に詩情をたっぷりと含んだ瑞々しいメロディをパーソネルに柔らかく唄う、アルゼンチンはリオプラテンセス(川沿い音楽)の分野で豊富なキャリアを誇る女性SSW アリサ・カウフマン。'04年にリリースされた傑作「Epilogo Lunar」の際にはギリシャや英国にまでツアーに出掛けています。4作目となる本作では、アリサ本人が唄、ピアノ、ギターとコンポージングを、そしてカルロス・ベガ (contrabass)にルーロ・イソッド( drs) というコンボ編成に、曲に拠ってはガブリエル・リバーノ(bdn) やエリアナ・リウニ(cla) などゲストの参加を仰ぐといういたってシンプル・アコースティックな作品。その分、洗練されたジャズの要素やブラジル音楽からの影響、そして女性の作家らしい滑らかでシルキーな音楽の手触りが際立っています。川沿い音楽の特徴のひとつでもある美しい旋律の起伏、そして哲学的な作品で知られるオリベリオ・ヒロンドの詩作に曲を付けたり、クラウディア・ゴレンステインと共作を試みたり、"Encuentros con Tokyo" (=東京との遭遇)と遠方の地に思いを馳せ、と詩情も豊かに、気がつけば水辺の風景が眼前にひろがっている思いにとらわれます。最終曲"Outono"はブラジル音楽、ジャヴァンのカヴァー。
オフィシャル・ページで試聴出来ます
→ http://www.alisakaufman.com.ar/