25歳にして早くもブラジル音楽界のスターダム街道を登り詰めるマリア・ガドゥ。輪郭のはっきりした意志の強さを感じさせる唄声で、まるでベテランの作家が作ったように完成された楽曲をバンド編成を従え自らがギターなどで紡ぎます。その自作曲が大評価を得たスタジオ盤の1st、そしてdvdとcd双方でリリースされた勢い付いたライヴ盤、更にカエターノ・ヴェローゾとの共演ライヴも国内盤でリリースされ、と俄然注目を集める最中リリースとなった2枚目のスタジオ盤。共演で話題となっているカエターノ・ヴェローゾの名曲 "Oracao ao Tempo" の独自な解釈による譜割の新鮮さ、ハイブリッドなブラジル音楽の先駆者 - レニーニがゲスト参加した"Quem?"、先の multishow DVD で共演していたサンパウロの新世代SSWのひとりダニ・ブラッキがルイザ・マイタとの共作、そしてギターで参加した"Axe Acappella"に曲提供をした"Linha Tenue" 。そして名バイ・プレイヤーのジェシ・サドキのフリューゲルホルンをはじめとする彩り豊かな管弦楽器のアレンジ。何より本盤のトピックは、ノラ・ジョーンズへの楽曲提供で世界のひととなったNY出身のSSW - ジェシー・ハリスと2曲の共作、共演を行なっていることです。 とりわけアイリッシュ音楽のように澄み渡った空気を持つ英語詩曲”Like a rose" では交響楽団を背景に壮大なスケールで美しいメロディを唄います。自身のフェイヴァリットのひとりであるというベト・ゲヂスの曲なども収録、歌詞を全て手書きとし、半透明紙や型抜きを駆使した豪華なブックレットにもガドゥの本作へ掛ける想い、そして自信が覗かれます。